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【母の思いを託される】

胎教にとモーツァルトを聞いていた母の思いが通じたのか、ハイハイしながら2階へあがり、ピアノを弾いていたそうです。

ピアノを習い始め、レッスンは楽しいのですが、友達が遊びに来ても、『練習があるから』と母に追い返されて、泣きながらピアノの練習をする日々でした。周りの友達は、名曲集などの歌心のある曲がどんどん進んでいくのですが、私はツェルニーやバルトークなどの技術が必要な曲の方が好きで、そちらの方が人よりもどんどん先に進んでいっていました。

高校の進路を決める時期に、勉強はあまり好きではなかったこと、また当時師事していた先生から「あなたには才能があるから、ピアノの道へ進んだ方がいい」と言っていただいたこと、そして私自身も人前で演奏することが大好きだったので、高校から音楽科へ進もうと思い、福岡女学院高校の音楽科へ進みました。

高校の音楽科は想像以上に過酷なクラスでした。私が一番!と思って入っている人の集まりといってもいい様な世界。エチュードテストでは、主任の先生に「お馬さん競走」と言われていました。なぜなら「あの子より速く弾く!」と闘志を燃やす人だらけ。。

実技試験の結果がでる日には、怒る子や泣く子もいました。

その中で、実技テストでは、1年生の後半から常にトップをキープできていました。

しかし、コンクールでは、ノーミスで演奏したのに予選さえ通過できない日々。

通過できないと、母や先生に怒られる、、そんな日々が続きました。

厳しい親元を離れたい思いも強く、大学は県外へと考えていました。

どうせ東京へいくなら大都会に校舎がある音楽大学に行って一流と言われる先生から指導を受けたい、と思い、一番都会にある東京音楽大学のピアノ演奏家コースへ進学。でも進学して分かったことは、私と同じくらい弾ける人は世の中にたくさんいる、ということでした。

 

【管楽器の人たちとの出会い】

4年間どうしていこうかと落ち込んでいた時に目に入ったのが、通称『金魚鉢』と呼ばれていた場所で練習をしている金管楽器の人たちでした。先輩も後輩もいつも楽しそうに話していたり、何人かでアンサンブルをしていたり、、私もあの人たちみたいに大学生活を楽しみたい!と思う様になりました。ラッキーな事に1人、仲良しになれると、みなさんが快く仲間に入れてくれて、次第にピアノの友達ではなく、管楽器の友達といる時間が、多くなりました。そんな中、金管楽器の実技試験の伴奏を頼まれたのがきっかけで、アンサンブルピアニストの世界へ足を踏み入れました。

 

【伴奏とアンサンブルの違い】

こんな私でも、初めは「どう?私完璧に弾いてるでしょ?」という弾き方でした。

とある4年間伴奏者を務めたトランペットの子が「ここはこう弾いてごらん?」とか言ってくるのも嫌でした。でも色んな人と色んな曲を弾いていると、いい曲がたくさんあり、次第にその曲の良さをどう表現したらいいのか?と考える様になりました。

とある楽器の子が受けた公開レッスンで、伴奏者の私が怒られたりしましたが、今考えるとそれが私の転機になってるなと感じます。

卒業後、地元福岡に戻ると、楽器の人との繋がりはなくなりました。

しかし、大学時代に出会ったシアトル交響楽団の首席トロンボーン奏者として活躍されている山本浩一郎さんの福岡での公開レッスン&ミニコンサートで共演させていただいたことをきっかけに、、福岡でも管楽器の人と知り合っていける様になりました。

どんどんアンサンブルの本番をやっていくうちに、ピアノは伴奏じゃない!ピアノと楽器で1つの曲になってるのだから、と思い始め、私の探求が始まりました。

それ以降、ソロを弾く時も、アンサンブルする時も、1つ1つの声部への思いが強くなり、徐々に色んな音色を表現できる様になりました。

 

【アンサンブルピアニストとして】

これまでに約300人の方と共演しました。声楽、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、フルート、オーボエ、ファゴット、クラリネット、サクソフォン、トランペット、ホルン、トロンボーン、ユーフォニアム、テューバ、マリンバ、等とプロ・アマチュア問わず、幅広いジャンルの方と共演しました。

学生さんがチャレンジするコンクールでは、グランプリをいただいたり入賞される生徒さんもいらっしゃいます。。

また、海外のプロアーティストの方との共演経験も多くあり、好評を博しています。

​アンサンブルは、タイミングを合わせるだけではない、ということを妥協せず、追求しています。

 

コンサートも100以上、ピアノソロ・連弾・2台ピアノ、楽器の方との共演、オーケストラや吹奏楽のソリストとしてコンチェルトの共演等と様々なジャンルに出演してきました。

 

そしてこれまでに約500名の生徒さんにレッスンをしてきました。

ピティナピアノコンペティションやショパンコンクールinASIAなどの全国大会入賞、ベーテン音楽コンクール連弾部門での全国大会入賞、楽器の学生の方たちとも共演し、様々なコンクールで入賞など、生徒さんへの指導にも、私がアンサンブル経験で培ってきたことが、役立っています。

 

楽器の学生さんを指導される先生からは「演奏の立体感、合わせる感覚はもちろんマインド面のサポートもしてくださるので」、レッスンでも「東京の先生のレッスンみたいなレッスンを福岡で受けられるなんて」というお声をいただいております。

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